訪問看護と訪問介護の違い|どちらを選べばいい?サービス内容を徹底解説
【図解でわかる】訪問看護と訪問介護の違い|どちらを選べばいい?サービス内容を徹底解説
「訪問看護」と「訪問介護」、名前が似ているので混同されがちですが、実は全く異なるサービスです。どちらもご自宅での生活を支えるサービスですが、提供される内容や専門職が異なります。
この記事では、利用者様とご家族が適切なサービスを選べるよう、両者の違いをわかりやすく解説します。
訪問看護と訪問介護の基本的な違い
まずは、両サービスの主な違いを表で確認しましょう。
| 項目 | 訪問看護 | 訪問介護 |
|---|---|---|
| 目的 | 病状の観察・医療的ケア | 日常生活の支援 |
| 訪問する専門職 | 看護師・保健師・理学療法士など | 介護福祉士・ホームヘルパー |
| 医療行為 | ○ できる | × できない(一部例外あり) |
| 指示を出す人 | 医師 | ケアマネジャー |
| 保険制度 | 医療保険または介護保険 | 介護保険 |
💡 最も大きな違いは「医療行為ができるかどうか」です。
訪問看護とは?
サービスの目的
訪問看護は、医師の指示のもと、看護師などの医療専門職がご自宅を訪問し、医療的なケアを提供するサービスです。病気や障がいがあっても、住み慣れたご自宅で安心して療養生活を送れるよう支援します。
具体的なサービス内容
1. 病状の観察と健康管理
- 体温、血圧、脈拍、呼吸状態などのチェック
- 病状の変化の確認と医師への報告
- 服薬管理と服薬指導
2. 医療的処置
- 点滴・注射の管理
- 痰の吸引
- 経管栄養(胃ろう)の管理
- 床ずれ(褥瘡)の処置
- カテーテルの管理
- 在宅酸素療法の管理
3. リハビリテーション
- 理学療法士・作業療法士による機能訓練
- 日常生活動作の維持・向上支援
- 嚥下訓練
4. 療養上のお世話
- 清拭・入浴介助
- 排泄介助
- 食事介助
5. ご家族への支援
- 介護方法のアドバイス
- 精神的サポート
- 緊急時の対応相談
こんな方におすすめ
- 医療的なケアが必要な方
- 病状が不安定で観察が必要な方
- 退院後の在宅療養が必要な方
- がん末期で緩和ケアが必要な方
- リハビリが必要な方
訪問介護とは?
サービスの目的
訪問介護は、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき、介護福祉士やホームヘルパーがご自宅を訪問し、日常生活の支援を行うサービスです。
具体的なサービス内容
1. 身体介護
- 食事介助
- 排泄介助
- 入浴・清拭介助
- 着替えの介助
- 体位変換
- 移動・移乗介助
- 外出介助
2. 生活援助
- 掃除・洗濯
- 調理・配膳
- 買い物代行
- 薬の受け取り
- ゴミ出し
こんな方におすすめ
- 日常生活に介助が必要な方
- 家事のサポートが必要な方
- 身体介護を中心に支援してほしい方
- 医療的ケアは不要だが、生活支援が必要な方
両サービスは併用できます
「医療的ケアも必要だし、家事のサポートも必要」という場合、訪問看護と訪問介護は併用できます。
実際に、多くの利用者様が両方のサービスを組み合わせて利用されています。
併用の例
- 午前中:訪問看護師が血圧測定や服薬確認、点滴管理を実施
- 午後:訪問介護ヘルパーが入浴介助や掃除、買い物代行を実施
ケアマネジャーに「受けたい医療ケアの内容」や「現在抱えている困りごと」を具体的に伝えることで、ご自身に合った最適なサポート体制を整えることができます。
どちらを選べばいい?判断のポイント
迷われた場合は、以下の質問で判断してみましょう。
訪問看護が適しているケース
- ✓ 医師から「在宅で医療的ケアが必要」と言われている
- ✓ 点滴、注射、痰の吸引などが必要
- ✓ 病状の観察が必要
- ✓ リハビリが必要
- ✓ 床ずれなどの傷の処置が必要
- ✓ カテーテルや胃ろうの管理が必要
訪問介護が適しているケース
- ✓ 身体は元気だが、家事が大変
- ✓ 食事や排泄、入浴に介助が必要
- ✓ 医療的な処置は不要
- ✓ 日常生活の支援があれば自宅で生活できる
両方が必要なケース
- ✓ 医療的ケアも生活支援も必要
- ✓ 病状管理と日常生活支援の両方が必要
- ✓ 在宅での看取りを希望している
ご相談先について
どこに相談すればいい?
1. ケアマネジャー(介護支援専門員)
すでに介護保険を利用している方は、担当のケアマネジャーに相談しましょう。
2. 主治医
医療的ケアが必要かどうか判断に迷う場合は、かかりつけ医に相談してください。
3. 地域包括支援センター
どこに相談すればいいかわからない場合は、お住まいの地域の地域包括支援センターへ。
4. 訪問看護ステーション
直接、訪問看護ステーションに問い合わせることもできます。初回相談は無料の事業所も多いです。
訪問看護ステーション選びの7つのポイント
良い訪問看護ステーションを選ぶためのチェックポイントをご紹介します。
- 自宅から近いエリアにあるか
緊急時にすぐに駆けつけられる距離が安心です。 - 24時間対応体制があるか
夜間や休日の緊急時に連絡・対応できる体制があるか確認しましょう。 - 主治医との連携がスムーズか
かかりつけ医との情報共有がしっかりできているか重要です。 - 専門的な知識・経験が豊富か
特定の疾患(がん、難病、小児など)に専門性があるか確認しましょう。 - スタッフの人数は十分か
看護師の人数が少ないと、希望の日時に訪問してもらえないことがあります。 - 対応が丁寧で信頼できるか
初回面談時の対応や説明の丁寧さを確認しましょう。 - 利用者のことを知ろうとしているか
生活背景や家族状況まで理解しようとする姿勢があるか重要です。
料金について
※料金は地域や事業所、サービス内容により異なります。詳しくは事業所やケアマネジャーにお問い合わせください。
まとめ
訪問看護と訪問介護の違いをまとめると、
- 訪問看護=医療的ケアを提供(看護師などが訪問)
- 訪問介護=日常生活を支援(介護士・ヘルパーが訪問)
- 両方の併用も可能
「どちらが必要かわからない」という場合は、まずケアマネジャーや主治医、地域包括支援センターにご相談ください。専門家が、ご利用者様の状態や生活状況に合わせて、最適なサービスをご提案します。
住み慣れたご自宅で安心して生活を続けるために、訪問看護・訪問介護を上手に活用しましょう。
ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽に当ステーションまでお問い合わせください。
